Special : 『乾杯! IGLOO NIGHT FEVER』レポート

 去る4月18日、東京・池袋の池袋テアトルダイヤにて、『MS IGLOO2 重力戦線』の完結を記念したオールナイトイベント『乾杯! IGLOO NIGHT FEVER』が開催されました。“乾杯!”を冠しているのがちょっと気になるこのイベントは、果たしてどのような一夜だったのか? 熱いIGLOOファンが詰めかけた会場の様子をおとどけします。

 発売を目前に控えていた最新作となる第3巻『オデッサ、鉄の嵐!』の一般初お披露目と、シリーズ一挙上映、そして今西隆志監督をはじめとする豪華ゲストによるトークショーが行われるとあって、チケットは即日SOLDOUT。会場には200人を越える熱きIGLOOファンが集結。もちろん、そのほとんどが男性というのも、実にIGLOOオールナイトにふさわしい風景でした。

 オールナイトイベントを前に、映画館ロビーは期待に胸を膨らませて訪れるファンを出迎えるサプライズが用意されていました。

 まず目に止まるのが、スタッフ&キャストのサイン入りポスターと台本や絵コンテの展示。「ここでオールナイトイベントがあるんだ!」という実感が一挙に高まります。

 そして、『重力戦線』の制作にあたって、『U.C.HARDGRAPH』シリーズをはじめとした立体データのやりとり連携をおこなってきたバンダイホビー事業部さんの協力によって、特別展示スペースが登場。

 まず目を引いたのは入り口のすぐ横に設置されたガラスケース。中には、『MS IGLOO』シリーズに縁のあるプラモデルの完成品が一同に展示されていました。前シリーズからプラモデル化されたヒルドルブ、オッゴの完成品、『U.C.HARDGRAPH』シリーズの完成見本などが集結。

 そして、注目を集めていたのは『重力戦線』に登場したメカたちの試作品。劇中のモデリングデータを元に光造型によってつくられて形状試作のダブデ、ビッグ・トレー、ヘヴィ・フォーク、そしてガンタンクの立体物が! まだまだ製品化は未定とのことでしたが、ぜひ発売に向けて動いてほしいものです。

 また、バンダイ公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」で限定発売が決定したMG『MS IGLOO2 重力戦線イメージカラー』のザク、グフカスタム、ドムの3体の姿もありました。

 さらに、ホームページで連載中の『どきどき(若葉マーク)リリっち』のコーナーでリリっちが作った作例も。みんな気がついたかな?

 その奥の壁には『U.C.HARDGRAPH』のボックスアートの原画が一挙に展示。海老原秀明さん、高荷義之さんというミリタリーボックスアートの巨匠の描く本物の絵を間近で観ることができるのも、ファンにはたまらなかったはず。

 

 そして、いよいよ上映の時間に。まずは、『重力戦線』の第1話、第2話の連続上映からスタート。すでに発売中の2作品とはいえ、やはり映画館の大画面で観るのは、家庭用のテレビで楽しむのとは違った迫力を体感することができました。

 第2話の上映終了後、MCとしてバンダイビジュアルの高尾さんが壇上に。そして、会場に訪れたみなさんにペットボトルのお茶が1人1本配布されはじめました。さらには、ビールの販売まで。

 これこそが、“乾杯!”の正体だったのです。「ファンのみんなと、一緒に完結を祝いたい」という今西監督たっての希望で、乾杯用の飲み物が配られたのでした。

 全員に飲み物が行き渡ると、壇上にトークショーに参加する皆さんが登場。

 司会は、月刊ガンダムエース誌上で熱烈『MS IGLOO』好き&ジオニストとして『それいけ!! 松戸アングラー隊』を描くマンガ家の徳光康之さん。ゲストは今西隆志監督、メカデザイナーの山根公利さん、そして紅一点、アリーヌ・ネイズンと死神役を演じた声優の井上喜久子さん。

 いつもは『永遠の17歳』の井上さんも、オールナイトイベントということもあって「今夜は大人です」と挨拶。

 「『重力戦線』もひとくぎりがつきました。砂煙に乾杯!」という今西隆志監督の乾杯の音頭で、会場が一体に。

 さらに、『重力戦線』の主題歌を担当した横田はるなさん、柿島伸次さん、Tajaの菜穂さんの3人からお祝いのビデオメッセージが紹介され、壇上のゲスト全員がビールやアルコール飲料を片手にトークを行うという、オールナイトイベントならではのゆるやかな雰囲気でスタート。

 第3話はトークショーの後に上映ということで、ネタバレはなしという縛りのもと、まずは井上さんの劇中のお気に入りの台詞を披露。大人数の前でアリーヌの台詞を言うのを恥ずかしがるというカワイイ一幕が、さらに会場を盛り上げます。

 その後、山根さんによるガンタンクのデザインを中心にしたメカニックトークが語られれば、井上さんが「キャタピラって何ですか?」というナイスな質問を差し挟んだりして、男だらけの会場をいい雰囲気にしていきました。

 監督によるさりげない見所解説や裏話が披露されれば、ノってきた司会の徳光さんが暴走気味に井上さんにお気に入りキャラの台詞をリクエストしたり、今後のジオンメインの『重力戦線』続編への希望したりなど脱線しまくり。そこに今西監督が突っ込むという、徳光さんとの絶妙なやりとりが笑いを誘い、緩やかで楽しいトークショーとなりました。

 そして、最後はゲストの方々によるプレゼント抽選会へ。サイン入りポスターや色紙、プラモデルなど『MS IGLOO』にちなんだ貴重なお宝が大放出して、トークショーも終幕へ。

 ゲストのみなさんによる締めのひと言をここで紹介しましょう。

「『重力戦線』の3話、すごく面白いのでジオン派、連邦派、どちら派の方も楽しんでください。この続きが作られるように、友達に「面白かったよ」と伝えてみんなに見て貰えるように応援してください。よろしくお願いします」(徳光)

 

「この後上映される『重力戦線』の3話ですが、ガンタンク以外にもたくさんのMS、兵器が登場しますのでメカファンの人は楽しみにしてください」(山根)

「『MS IGLOO2』という、本当にすばらしい作品に参加させていただいて、本当に幸せでいっぱいです。死神というちょっと独特な役なんですが、個人的にはすごく大好きなキャラクターですし、第3話ではアリーヌという役をやらせていただくことになって、本当に自分自身の身体の中から、どこまで思いをぶつけられるかという限界に挑戦したいなと思われる役に出会えました。『MS IGLOO2』全話はとてもすばらしい作品なので、末永くみなさん応援してください」(井上)

 

「井上さんが来ていただけるかどうかだけが、このイベントをむさ苦しくするかどうかにかかっていだんですが、もう、ガラっと雰囲気が違うでしょ? 第3話もガラっと違います。すべてが実験でやらせてもらったようなところもあるんですが、CGのガンダムもだいぶ定着してきたかなというのが、この重力戦線でわかると思います。みなさん楽しんでいってください」(今西) 

 

 大いに盛り上がったトークの後、待ちに待った第3話『オデッサ、鉄の嵐!』の上映がいよいよスタート。

 大スクリーンで、あの大迫力の戦闘シーンを楽しめたファンは、本当にラッキーだったと思います。

 そして、『重力戦線』の上映に続いて、前シリーズの『MS IGLOO 1年戦争秘録』、『MS IGLOO 黙示録0079』の全6話を連続上映。こちらも、劇場で全話連続上映されるのは初めてだったので、IGLOOファンにとっては、『重力戦線』を見たときとはまた違った感動がこみ上げたに違いありません。

 こうして、全9作品の上映が終了したのは朝6時頃。IGLOOにどっぷりと耽った、熱く楽しい一夜は明け、IGLOOファンたちはまぶしい朝日の中、家路についたのでした。

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