Special : 今西隆志監督インタビュー

いよいよ10月24日に第1巻「あの死神を撃て!」が発売される『MS IGLOO2 重力戦線』。今回は『U.C.HARD GRAPH』シリーズと共通性を含め今西監督にお話いただきました。

――今回の『MS IGLOO2』も『MS IGLOO』と同様にフルCGで描く作品ですが、『MS IGLOO2』一番大きな違いは何ですか。

今西:CG技術も日々進歩しておりますし、また、「2もの」とはいえ、別作品の意識で制作しております。
一番、異なる点は、地上の物語であり、「重力」が表現の裏側に絶えず存在することですね。
「重い・・・・・この奈落はさながらに・・・・・」と、劇中でのたうつキャラクターが登場しますが、我々、スタッフの仕事も、ドラマ作りも、全て「重い」です。

――今回は『U.C.HARD GRAPH』シリーズと共通のコンテンツとして構成されているとのことですが、具体的にどんなことでしょうか。
また、今回地球連邦の話と言うのもそのあたりとの兼ね合いがあるのでしょうか。

今西:「U.C.HARD GRAPH」シリーズは、プラモデル商品化企画ですが、旧「MS IGLOO」と同様に、注目を浴びない脇役的なメカを発掘し、リアリティーを高め、ガンダムワールドの裾野を拡げる目的を持っています。「U.C.HARD GRAPH」と「MS IGLOO」の相性が良いのは当然と言えるでしょう。
また、仕事上の面でも、3DCGムービーという「立体」と、3DCADによるプラモデル設計は、極めて共通項が多いのです。「MS IGLOO 2 重力戦線」では、この「立体の相互乗り入れ」を多用しています。プラモデルの形状そのままのメカたちが活躍するわけです。

「MS IGLOO 2 重力戦線」が、地球連邦軍側から描いた作品となっていますが、これについては、今西の独断的な企画ではありません。作品企画作業には、多くの方々が参加しており、先程も書いたように、まさに「コラボレーション」企画であります。
さて、「機動戦士ガンダム」は、実は、「ジオン、驚異のメカ」によって支えられている番組です。一度、地球連邦軍とジオン軍の登場メカ体数を数えてみて下さい。ガンダムが、ばったばったとジオン軍メカをはったおす! その醍醐味であります。
しかし・・・・・、それがゆえ、地球連邦軍のメカは貧相です。注目を浴びない脇役的なメカを発掘するのであれば、本来は、地球連邦軍メカなのであります。
このような、様々なコンセプトが混じり合って成立した作品が「MS IGLOO 2 重力戦線」と言えるでしょう。

――『機動戦士ガンダム』の中で好きなキャラクターやメカを教えてください。

今西:うう、困るなぁ。特定しにくいです。
キャラクターであれば、ザビ家の人々が気になります。凄い家族ですよねぇ。気にならないわけがない。
メカは・・・・・、昔はドムがインパクトがあったなぁ。今は、どれと言う特別なものはありません。

――今西監督もプラモデルを作られますか。プラモデルにまつわる思い出などがあったら
教えてください。

今西:今は、仕事に追われる毎日で、趣味を持つ時間もありません。とほほ。
ええ、過去の人であります。
小さい頃は、零戦ばかり大量に作った記憶があります。机が空母の飛行甲板のようになったなぁ。

――これから作ってみたいプラモデルがございましたら教えてください。

今西:それはもう、「U.C.HARD GRAPH」シリーズしかないでしょう!(営業を含む)
うむ、うちの息子と一緒にザクVer.2でも作りましょうか。

――作品をご覧いただく方に『ここが見所!』というのがあれば教えてください。

今西:特定のシーンということではなく、通常アニメーションとは一味違う質感や映画的テンポを楽しんでもらえればうれしいです。是非!!

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