Special : 『MS IGLOO2 重力戦線』完成披露パーティー

 3月某日、『MS IGLOO2 重力戦線』第3話「オデッサ、鉄の嵐!」が無事完成! 『MS IGLOO2 重力戦線』全3話の完成を記念して、キャスト&スタッフを始め、作品に関わった方々が一同に会した完成披露パーティーが開かれました!

 パーティー会場となったのはトークイベントやライブなどを行うことが可能な、新宿歌舞伎町にあるエンターテインメントカフェ・ピンク・ビッグ・ピッグ。

 『重力戦線』という、テーマ、映像表現、そして映像のデータも重い作品を共に戦い抜いた“戦友”たちが集った会場は、まさに戦勝パーティーといえる雰囲気。気分的に言えば、“オデッサ陥落記念パーティー”といったところ。
 パーティーの司会進行は、サンライズD.I.Dスタジオで『重力戦線』の制作を担当した、柴田英樹さんと瓶子英波さんのお二人。

 宴はサンライズ社長の内田健二さんの乾杯から幕を開けました。

サンライズ 内田健二さん
「いつも大変な作品を制作しているD.I.D.スタジオ。今回もフルCGで作品を作りましたが、これからも新たな映像作りに挑戦していくと思います。乾杯!」

 続いて、バンダイビジュアル側のプロデューサーを務め、今西監督と協力して作品を完成に導いた木村淳一さん、劇中の3DCGとプラモデルのコラボレーションを成功させたバンダイホビー事業部の江上嘉隆さんの挨拶が続きます。

バンダイビジュアル 木村淳一さん
「お疲れ様でした。みなさんの協力で無事4月24日に発売されます。ありがとうございました。今回の『MS IGLOO2 重力戦線』はバンダイホビー部さんと協力しあうことで、いい作品に仕上がりました」

バンダイ 江上嘉隆さん
「4年ほど前、1/35でガンダムをやりたいと始まった『U.C.HARD GRAPH 』。1,500円のワッパからスタートして、ついに61式戦車が発売されました。そんな地味なやつ売れるのかと最初は思っていましたが、完成映像を観てダブデが欲しいと思いました」

 パーティー会場には、美味しい料理がたくさん用意されていたのですが、並ぶ料理の中には、奇妙な缶詰の山が……。なんと、これは自衛隊用の携行食、いわゆる“ミリメシ(ミリタリーメシ)”でした。普段はなかなか食べられない缶入りの携行食糧がパーティー用の食事に並ぶとは、『重力戦線』の完成披露パーティーらしいです。
 で、実食。「牛肉野菜炒め」や「ハンバーグ」など、“缶詰で美味しいの?”と思いがちな料理も、見た目はまあアレですが(笑)、味のほうは本物と遜色なし! 意外と戦場では美味しいご飯が食べられているんですね〜。みなさんにも好評でした。

 そして、いよいよ完成したばかりの本編、第3話「オデッサ、鉄の嵐!」がどこよりも早く正式上映。
 期待が高まる中で上映されたオデッサ作戦を舞台に展開される迫力の戦闘シーンは、キャッチコピーの「ガンダム史上最大の決戦!」のとおり。砂煙を上げて疾走するガンタンク、巻き上がる爆煙。自身が関わった作品の完成度の高さに、会場のボルテージは最高潮に! 
(その本編映像の真髄は、ご自身で体感してください)

 本編映像の余韻が冷めやらぬ中、メインスタッフの紹介と代表者挨拶がスタート。

 まずは、CG制作に関わったスタッフたちからひと言。

CGテクニカルディレクター 井上喜一郎さん
「本編を見ていただいて、ガンタンクが早すぎるんじゃないかとか思われたかと思いますが、こちらはちゃんとテストをしまして100キロくらいで走らせたのですが遅くてですね、スピードをアップさせたら監督が「このスピードがいいね。何キロ出てるの?」って聞かれて1000キロ以上ですと(笑)。そんなこともありましたが、いい方向にまとまって良かったなと思います。いろいろと大変だったのですが、何とか完成しました。ありがとうございました」

CGスーパーバイザー アトリエ・ビトル 小畑正好さん
「ジオンで6話つくらさせていただいて、今回は連邦で3話……ってことは、連邦であと3話あるのかなからと期待しながら、ご挨拶に代えさせていただきます(笑)」

アトリエ・ビトル 片山鮎喜さん
「CGの作業は大変だったんですが、なんとかやりきれて良かったです。みなさん、お疲れ様でした」

 そして、多くのデザイナーが参加する中で、今回最も貢献度が高かった山根公利さんが代表して挨拶。

デザインワークス 山根公利さん
「今日はすばらしい戦車アニメを作ってくれた打ち上げのために、12時間バスに乗ってやって来ました。ありがとうございました。僕は戦車映画はいろいろと見ているのですが、この『重力戦線』は間違いになく日本一の戦車アニメだと、全国の2000万人くらいいる戦車ファンに伝えたいと思います。戦車アニメの歴史に大きな足跡を残せたかと思うと、すごく嬉しく思います。みなさん、お疲れ様でした」

 引き続いて、本編の要と言えるメインスタッフの松田剛吏さんと今西隆志監督が登場。

演出、アニメーションディレクター 松田剛吏さん
「みなさんお疲れ様でした。今度の作品、特に3話は死ぬかと思いました。僕の後に続いた3Dのスタッフはもっと死ぬかと思ったかも知れないですが(笑)。死ぬかと思ったという甲斐があるほどの作品になっていると思います」

今西隆志監督
「実写ではないんですが、砲弾の数はペキンパーを超えるかもしれないほど、火薬の量が違います(笑)。本当にみなさんの力に支えてもらいました。ありがとうございました。ほとんどの人の顔が判るというのは、いちいち出動する監督だなと、うるさいともよく言われましたが、許してくださいね。いいものが作れましたので。ありがとうございました」

 スタッフに続いて、キャストの方々が登場。
 まずは、モーションキャプチャー用の動きを演じた劇団スーパーエキセントリックシアターの4人が登壇。中でも、コレマッタ役のどうじょうさんの挨拶には会場では歓声が上がるほど。コレマッタって、実は人気があるんですね〜。

宮内大さん
「主にバーバリーやヤンデルをやらせていただきました。僕は36歳なんですが、ガンダム世代で本当にガンダムが好きでずっと見ていて、いつか関われたらいいなと思っていましたら、本当に関われて良かったなと思っていますし、モーションを撮っているときも、セリフも全部芝居のとおりに言って撮ったモーションなので、そこでいろいろと表現できたと思っております。ありがとうございました」

どうじょう拓人さん
「今回は、主にイヤミなコレマッタをやらせていただきました。「タリホ〜!」ってやりすぎた演技で、みなさまにいろんな迷惑をおかけしたと思いますが、演じていてすごく楽しかったです(笑)」

小暮邦明さん
「主に第2話で登場したスラー役をやりました……アレ? どうじょうさんに比べると反応がないみたいですが(笑)。楽しくやらせていただきました。ありがとうございました」

中井真徹さん
「先輩方とは違って、特に役名がない役、空いたところを僕がやってました。印象に残っているのは死神の代役とか、足をブラブラしている死体の役とか。本当に楽しかったです。ありがとうございました」

そして、音響監督の藤野貞義さん、声を担当した声優の井上喜久子さん、東地宏樹さんがステージに。

音響監督 藤野貞義さん
「今回の『重力戦線』は地上に降りてきたために、本当にリアルな音が多いので、今回は効果さんも音の洪水ですごく泣きました。戦争の音がどういうものなのかという研究からはじめてもらって、いいものができたと思います」

井上喜久子さん(死神、アリーヌ・ネイズン役)
井上喜久子「みなさま、本当にお疲れ様でした。私は某作品で女神さまをやらせていただいたこともあるんですが、今度は死神ということで(笑)。大役に喜んでいたところに、さらに第3話ではアリーヌという大きな役をやらせていただいて、本当に幸せでいっぱいです。今も映像を見せていただいて、ご飯を食べながらみていたんですけど、途中からハシは止まり、口は開いたまま。もう、本当に映像にクギづけで、映像も音楽もすばらしく、なんてすごい作品なんだろうと改めて思いました。すばらしい作品を作ってくれたみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」

東地宏樹さん(コレマッタ役)
「僕はあまりこういう役をやらせてもらうことはなくて、現場で自分なりに遊ばせてもらえるのかなと思ってやったら、「もっとやれ」と言われて、こういうコレマッタが生まれました(笑)。先ほどどうじょうさんとも話をさせていただいて。アニメの場合は演じたアクターさんがいるわけではないので、こういう顔合わせはないんですが、こうやってちゃんと身体で演技された方に声をあてるというのは何か不思議な感じでした」

挨拶に加えて、なんとアリーヌ、コレマッタのお気に入りの台詞を披露。アリーヌの「卑怯者は影で笑うのさ!」のセリフに会場はどよめき、コレマッタの粘着質な「やるじゃないかガンタ〜ンク!」には、会場が大爆笑! ここでもコレマッタは人気でした。

次は音楽関係のスタッフがご挨拶。フライングドッグの佐藤さんからのサプライズが待ってました。

ディレクター フライングドッグ 佐藤正和さん
「みなさん本当にお疲れ様でした。『重力戦線』は私が初めて制作となって関わらせていただいた作品です。こうやってみなさんとこの場に参加できて、本当にうれしく思います。ありがとうございます。先ほど、Tajaの二人と花園神社でヒット祈願をしてきました。よろしくお願いします。ここで歌のプレゼントということで、柿島伸次とTajaの二人から1曲ずつ曲を披露させていただければと思います」

 そして、ステージにはライブ用に楽器がセットされ、『重力戦線』サプライズミニライブがスタート。
まず登場したのは、第2話のエンディング曲『PLACES IN THE HEART』を歌った柿島伸次さんが登場。

柿島伸次さん
「みなさん、本当に本当にお疲れ様でした。僕は以前ガンダムという作品ではインストロメンタルで関わらせていただいたんですが、今回はなんと歌を歌わせていただけるという幸運にめぐまれました。本当に、こんなにたくさんの方々が関わっている作品に参加させていただけたことは、本当に幸せです」

 挨拶に続いて、静かなメロディラインで聞かせる『PLACES IN THE HEART』をキーボードの生演奏で披露。盛り上がっていた会場も、一転して静かに聞き入る状態に。

 そして、前作『MS IGLOO』でも主題歌を担当していたTajaの2人がステージへ。

Tajaさん
「どうも。IGLOO歌手のTajaです。また、『IGLOO』に帰って来れて本当に嬉しいです。スタッフのみなさん、お疲れ様でした。今西監督との信頼関係で、今回はよりTajaらしい曲となっています。IGLOO最高!」

 前作『MS IGLOO』主題歌のバラード調の曲とはひと味違う、ロックを基調とした第3話の主題歌『NO LIMITS∞』を、こちらも菜穂さんがボーカルとキーボード、佑次さんがギターを手にしての生演奏。ひと仕事やり終えたスタッフたちにとっては、最高の歌のプレゼントでした。

 ミニライブが終わり、盛り上がったパーティーもいよいよ閉会へ。最後の挨拶は、プロデューサーとして参加となったサンライズガンダム事業部の佐々木新さん、そして今西隆志監督が再び登場。パーティーを締めくくりました。

プロデューサー 佐々木 新(サンライズ)
「ガンダム事業部といたしましては、最初の『MS IGLOO』をはじめたのが6年くらい前で、宇宙世紀の作品をCGで描くにあたりまして、宇宙世紀ファンは保守的な方が多いというのもあって、とってもチャレンジングな仕事ではあったと思います。でも、ファンの人の熱気を感じる作品になっていまして、『MS IGLOO』はガンダムファンにしっかりと根付いているんじゃないかと実感しております。我々としては、こうしたCGで描く宇宙世紀というものをもっとチャレンジしていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします」

今西隆志監督
「みなさん、まだ続きみたいでしょ? もういい? ガンダム事業部はガンダム30周年でありまして、それをプロジェクトとして統括しておりますので、IGLOOは30周年のマークをど頭につけてプロモーションビデオを作っております。1番バッターです。これからホームランも出ますので待っていてください」

 今西監督からの続編制作宣言ともとれるメッセージによって、完成披露パーティーも終了。もちろん、ファンならずともさらなる『MS IGLOO』が見たいはず。今西監督をはじめ、スタッフのみなさん。これからも期待しているので、ガンダムファンのさらなる度肝を抜く作品をよろしくお願いします!

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